2025/12/30 14:05
12月26日、ばってん少女隊が2025年の年内ラストライブを恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催。初披露の新曲「メロきゅんほりっく」も届けられた第1部のクリスマスライブ【みんなで遊ぼうX'mas Party☆】の公式レポートが到着した。
春には浅井アヤネ、逢里みう、日南心那の3名が新メンバーとして加入。さらにグループの活動拠点を東京へ。活動10周年を迎えたばってん少女隊の2025年は、大きな変革の年でもあった。そして、そんな1年を締めくくるのが、12月26日に恵比寿ザ・ガーデンホールで行なわれる【年末ばってん!みんなで騒ごうParty詰め合わせ☆2025☆】だ。なお本公演は"詰め合わせ"と銘打っているとおり、1部【みんなで遊ぼうX'mas Party☆】と2部【今年もお疲れ様です!大忘年Party☆】のふたつのライブで構成されている。
思い返せば、ばってん少女隊のここ数年の年末は、2022年が横浜と福岡で【大忘年会】を開催。2023年は当時の新曲「ヒナタベル」とリンクした【ばってん少女隊年末公演 ~今宵はヒナタのジングルベル~】をTOKYO DOME CITY HALL(現・Kanadevia Hall)にて実施。2024年はメンバーの卒業公演と時期が重なり、そして今回2025年は、恵比寿ザ・ガーデンホールにてクリスマスと忘年会の2本立て。激動だった年の暮れに、クリスマスや忘年会をテーマにしたライブイベントで同じ時間と空間を分かち合う。ばってん少女隊の、そんなライブが開催されることに、なんだか少しホッとしたような、平和な気持ちを覚えてしまう人もいたかもしれない。
第1部は【みんなで遊ぼうX'mas Party☆】。クリスマスの翌日開催となった公演ながら、フロアに足を踏み入れると、ステージを照らす赤と緑のスポットライトやウィンターソングのBGMがお出迎え。クリスマスを感じさせる空気に背中を押されて、自分の席に向かう足取りもなんだか自然と浮足立ってしまう。
開演時間となり、期待感を煽るような「overture」。暗転した会場とメンバーカラーに激しく点滅する照明演出のコントラスト。そして暗闇の中からステージへと駆け込んできたのは、希山愛と春乃きいなを先頭に、深いボルドーを基調としたポンチョをつけた、8人の可愛らしいサンタたち。クリスマスがテーマのライブだから、客席側も当然、メンバーの衣装としてサンタクロース風のセットアップに期待はしていた。しかし、そんなこちら側の期待を超えてくるような光景が眼前に広がった瞬間、オーディエンスは思わず歓声を上げ、ペンライトの明かりをステージに掲げるように揺らして歓喜をステージへと伝えた。
1曲目を飾ったのは、奇しくも2025年の彼女たちのスタンスのような「進め!乙女は止まらない」だ。彼女たちが、自らも鼓舞するような歌詞を口にしながら、まばゆいばかりのステージライトの中で、リズムにあわせて可愛く歌い跳ねると、ポンチョの裾やティアードスカートにあしらわれた白いファーもひらりと揺れる。そんな様子に観客側は目を細める。観客のクラップとコールが激しく交錯する「My 神楽」では、間奏をロングバージョンにアレンジ。「今日までがクリスマスです!」という上田理子の呼びかけを経て、メンバーは「一日遅れのメリークリスマス! みんなで最高の思い出作りましょう!」という蒼井りるあを始め、「みなさんプレゼントはもらいましたか? がっかりしないで。このライブが私たちからのプレゼントです! 受け取ってね!」「プレゼントくれなきゃいたずらしちゃうぞ。いやそれ、ハロウィンやないかーい!」など、それぞれの個性あふれるコール・アンド・レスポンスを観客に求めて会場を沸かせる。さらに恋する女の子の「こっち見てほしい!」という可愛い気持ちをポップに聞かせる最新曲「こっちみて星☆」では、ミラーボールの乱反射によって、会場に幾千もの星を降らせてみせた。
「世間では昨日、クリスマスが終わったと言われていますが、私たちばってん少女隊、そして恵比寿のガーデンホールは今日までがクリスマス。最後までクリスマスを感じられるライブにできたらな、と思います。楽しんで行きましょう!」── 上田理子
人気曲「わたし、恋始めたってよ!」を光と影のコントラストでドラマティックに描き出すと、ばっしょーのクリスマスソング「ヒナタベル」を華やかにパフォーマンス。そしてこの華やかさを引き継ぎつつ、彼女たちの未来のようにカラフルポップでキラキラが詰め込まれたパワーソング「ポップアート」が続く。客席は、次々に景色を変えていくばってん少女隊のステージに早くも視線が釘付けとなり、リズミカルに手元の光を振りながら、誰もが笑顔になる。そしてここから、ばってん少女隊からのクリスマスプレゼントのようなスペシャルなステージが展開されていく。メンバーが2人もしくは3人のユニットに分かれて、まるでクリスマスのカラオケ大会のようにカバー曲を披露するコーナーだ。
突然、超ときめき宣伝部の「超最強」を歌い出す8人。そして何人かのメンバーがステージ上手下手に消えて、ステージに残ったのは春乃きいな、蒼井りるあ、日南心那の3人。彼女たちが披露するのは、今年の【TikTokトレンド大賞2025】においてインパクト・ソング部門賞を受賞したこの曲。しかしながら、ばってん少女隊の超最強な可愛さと愛嬌を誇る3人が歌唱するというのだから、これぞまさしく“超最強”でしかない。そして客席からステージに向けて浴びせられた「超かわいい!」「最強かわいい!」「かわいい! かわいい!」の大声援は、確実に恵比寿の気温を少しだけ上昇させていた。そう信じて疑わない。
次に希山愛と浅井アヤネがステージに登場する。よく見るとふたりはポンチョを脱いで、大きめのピーターパンカラーと肩出しのデザインが特徴的な白のブラウスに、ボルドーのティアードスカートが連なったワンピースを合わせた、クラシカルなレイヤードスタイルにチェンジ。そして、このふたりが披露したのは、私立恵比寿中学の「YELL」だ。こと希山愛にとってえびちゅうは、アイドルになろうと思った憧れのグループのひとつ。そんな彼女が、今のばっしょーにおいて元気の塊のような浅井アヤネとともにステージ上を大きく使い、のびのびと楽しそうに「YELL」を届けた。
最後の登場となったのは、上田理子、柳美舞、逢里みう。エッジの効いたイントロが流れてきた途端、それを感知したフロアからは大きなどよめきが発生し、そのまま激しいコールへと姿を変える。彼女たちがパフォーマンスしたのは、ももいろクローバーZの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」。クリスマスの可愛らしい衣装で、ヒリヒリとしたパワフルなステージング。オーディエンスはこのかっこよさに痺れたかのようで、歌い終わった3人に大歓喜、大喝采となっていた。
3ユニットそれぞれが個性を披露したカバー曲コーナーを振り返って、春乃きいなが感想を述べる。蒼井りるあ、日南心那とともに超ときめき宣伝部の「超最強」を披露した春乃だったが、このユニットが発表された際、ひとりお姉さんだったことについて「このメンバーが発表された時はどうしようかと。」と、当時の心境を吐露。これに上田理子が「きいな、全然! いけるよ!」と、励ましてるような、いじっているような発言で切り込んで、会場と他メンバーから「かわいかった!」の声と笑いを誘う。
一方、ももいろクローバーZの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」を披露した3人について話が及ぶと、その堂々としたパフォーマンスに対し、春乃は「私の中で“キメ顔選抜”なだけあるよ、この3人は。」と、ここぞとばかりに上田に軽くジャブを打ち込んでいく。だがしかし、「それで言うと、きいなさんは心那ちゃんとりるあちゃんと並んで“あざとい選抜”ですけどね。」と、ものすごく綺麗な上田のカウンターが入って観客爆笑。「返り討ちにされた……。」とダメージを負う春乃。福岡でお昼のワイド番組『DIG!!!!!!!! FUKUOKA』(FM FUKUOKA)の木曜パーソナリティーを担当する“空手は黒帯、しゃべりは白帯”上田理子のトークのキレっぷりを発揮した瞬間だった。
「MEGRRY GO ROUND」に「さがしもの」というばってん少女隊のライブでのテッパン曲で客席と一体になって盛り上がったのち、企画コーナーとしてクリスマスプレゼント抽選会を実施。客席の座席番号で、限定8人にスペシャルなプレゼントが届けられた。
蒼井りるあの「立ってくださーい!」の声を合図に、ライブは後半戦に突入していく。特別な一日にするべく「すぺしゃるでい」「おっしょい!」と会場のボルテージは一気に限界突破。全力のステージと全力のフロア、ぶつかり合う熱量と熱量が、この日一番の盛り上がりを構築する。
そして本編ラストは「無敵のビーナス」。第1部公演の終演が近づいていることと、2025年が終わっていくことの少し切なさを感じさせながら、ばってん少女隊は隊員のみなさんとクリスマスパーティーを存分に楽しむ。隊員もまた、残された2025年、いろいろあった1年の去りゆく後ろ姿を感じながら、ばってん少女隊との貴重な今この瞬間を噛み締めていた。
軽い挨拶を挟んでステージを一旦降りた8人。本編の熱量を下げるわけにはいかないと、観客からの熱い「アンコール!」の声で包まれる恵比寿ザ・ガーデンホール。しばらくして「みんなのもとにプレゼントを届けに行くよー!」という蒼井りるあの声とともに、撮影可能タイムがスタート。「こっちみて星☆」のインストで、メンバーは客席に降臨。通路を歩きながら、普段とは近い距離で、隊員ひとりひとりに笑顔を向ける。さらに手を振りながら金平糖のお菓子を配り歩く彼女たち。間近に来てくれるメンバーの一挙一動を逃すまいとスマホを向けながらも、笑顔を返す観客。これもまた、ばってん少女隊からのクリスマスプレゼントといえる。
しかし、第1部で一番のプレゼントとなったのは、実はこの後だ。事前予告なく、いきなり彼女たちの新曲が初公開されたのである。「メロきゅんほりっく」というタイトルのこの曲。「こっちみて星☆」系統というべきか、素性のいいばってん少女隊それぞれの可愛さをピュアに詰め込めるだけ詰め込んだようなメロいポップチューン。彼女たちにとって「OiSa」を筆頭としたクラブミュージックテイストの作品とはまた別の武器となり得る可能性を秘めた1曲といえそうだ。
第1部のラストに披露されたのは、メンバーが黄色いペンライトを手にしてパフォーマンスを行なったスカチューン「びびび美少女」。クリスマスパーティーらしく、ばってん少女隊は最後までハッピーなライブを繰り広げ、【みんなで遊ぼうX'mas Party☆】を締めくくった。
なお、アンコールでは、ワンマンライブ【ばってん少女隊~つなぐ~】の追加開催決定や、ばっしょーがホストとなって他のグループと対バンイベントを開催する【ばってん×フレンズ vol.3】の開催など、2026年のライブイベントについて、いくつか情報解禁が行なわれた。これら公演の詳細は、ぜひばってん少女隊の公式サイトで確認してほしい。
そして、2026年ライブイベントに関する情報解禁としてはもうひとつ。この日の夜に行なわれた2部【今年もお疲れ様です!大忘年Party☆】では、2026年のばってん少女隊にとって、もっとも高いチャレンジが明らかになった。それは、7月5日に東京・立川ステージガーデンでの【ばってん少女隊11周年記念ライブ】の開催決定だ。
ばっしょー史上最大キャパとなる2400席ソールドアウトへの挑戦。もう後には引けない。絶対に実現させないといけない。そんな挑戦と対峙し、決意で目元を少し滲ませながら、8人は高らかに本公演の開催決定を超満員の客席に向けて宣言する。
その瞬間、観客からは地鳴りのような歓声が巻き起こり、その熱量がホールを震わせた。
福岡で名乗りを上げたばってん少女隊が、2026年、シーンの中心に躍り出るための重要な足がかり。激動の期間を経て、ついに時は満ちた。今度はばっしょーの番。いざ、掴みにいこう──。
Text:Yosuke TSUJI
◎公演情報
【年末ばってん!みんなで騒ごうParty詰め合わせ☆2025☆】
2025年12月26日(金)東京・恵比寿ザ・ガーデンホール
第1部【みんなで遊ぼうX'mas Party☆】セットリスト
1 進め!乙女は止まらない
2 My 神楽
3 こっちみて星☆
4 わたし、恋始めたってよ!
5 ヒナタベル
6 ポップアート
7 超最強/超ときめき宣伝部カバー
8 YELL/私立恵比寿中学カバー
9 サラバ、愛しき悲しみたちよ/ももいろクローバーZカバー
10 MEGRRY GO ROUND
11 さがしもの
12 すぺしゃるでい
13 おっしょい!
14 無敵のビーナス
アンコール
EN1 こっちみて星☆ インスト
EN2 メロきゅんほりっく
EN3 びびび美少女
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